誤解だらけのクラウドファンディング

クラウドファンディング大手のキャンプファイヤー。 このたび大阪にも拠点が立ち上がることになりまして、そのキックオフイベントに出かけてきました。 板越ショージ氏の講演が聞けたのはラッキー。誤解だらけだったことに気がつきました。

クラウドファンディングってそもそもナニ?

クラウドファンディングとは──
インターネットを通して、起業家やクリエイターが、
少額のお金を、不特定多数の人から集める仕組み


ことですね。
クラウドファンディングって長ったらしいので、
以下、「クラファン」と略すことにしますけど。
ここで、
クラファンにまつわる誤解その1は、
「クラウド」と聞くと「雲」(cloud)を思い浮かべる人が多いこと。
(わたしもまちがえた。)
cloudじゃなくてcrowd
「雲」じゃなくて「群衆」だったんですね。
だからCrowd Fundingを直訳すると、
群衆からの資金調達ってことでして。
それだけだったら、
むかしからあった募金や寄付といっしょなんですけど、
インターネットを使って全国から短期間で広く集められるようになったことに特長があります。
クラファンっていつから始まって、
いつごろから広まってきたのか、
その歴史を調べてみるといろいろおもしろいことがわかります──
1886年に完成したニューヨークの「自由の女神」
あれだってひとり80セントほどの小銭を世界中の何千人もの支援者から集めたってことで、
一種のクラファンだという見方もあります。
かと思えばクラファンの原型は17世紀、
書籍の印刷にものすごくお金がかかった時代に、
印刷代を募るために使われた寄付モデルだともいわれています。
クラファンをどう定義するかによって起源も変わるわけですけども、
やはり今日型の、
すなわち「インターネット経由で」お金が集められるという点は外せません。
そうなると1997年、
イギリスのマリリオン(Marillion)っていうロックバンドが、
自分たちのアメリカツアーの資金をオンライン上でファンから集めた話が有名。
しかしまだこのときは「クラウドファンディング」っていう言葉は使わてなかった。
この言葉を初めて用いたのは、
マイケル・サリバンっていう起業家だそうで、
2006年、
自分自身のビデオブログコミュニティを支援するプロジェクトを説明する中で使いましたので、
やっぱりまだごく最近の出来事なんです。
商業的に爆発的に広がってきたのはいつからかってことになりますと、
2008年にIndiegogo(インディーゴーゴー)、
世界最大のKickstarter(キックスターター)が2009年にそれぞれ立ち上がります。
日本では東日本大震災のあった2011年、
レディーフォーキャンプファイヤーモーションギャラリーが、
相次いでサービスを開始しました。
必然的に初期のプロジェクトは、
震災からの復興がらみのものが多かったために、
クラファン=寄付
みたいな誤解が日本で生まれてしまったそうなんです。

身近なところにキャンプファイヤー

株式会社CAMPFIREは、
2011年設立。
代表はシリアルアントレプレナーの家入一真氏。
(わたしがこよなく愛する伝説のテレビ番組「鶴瓶上岡パペポTV」と関係あるのかないのかわからないが、
ペパポっていう会社の創業者だ。
会ったことはないけど、会社の名前がおもしろいってことは、
きっとスゲェ人にちがいない。)

Readyfor(レディーフォー)、Makuake(マクアケ)と並んで、
日本では3強といわれる購入型クラファンサイトのひとつです。
最大手のレディーフォーより耳にする回数が多いのはなんでか?
って考えてみると、
やはり、
地域活性化に特化したCAMPFIRE×LOCALを展開されてるので、
身近なところで相談に乗ってくれそうなオーラが出てるんでしょうね。
わたしも、
ちょっとした人のつながりで、
CAMPFIRE×LOCAL×OSAKAのキックオフイベントに出てきたんですが、
何人もの顔見知りや取引先さんに出会いましたから。
(風邪ひいいてしんどかったので早めに退散しましたけど。)
イベントで、
クラウドファンディング総合研究所の板越ショージ氏の講演が聞けたのはラッキーでした。
20分ほどの短い時間でしたが、
長年ニューヨークに住んでおられる目線から日本のクラファンを俯瞰して、
アメリカ本土のクラファンとのちがいや、
日本特有の誤解や、将来性について的確に語られました。
めちゃめちゃわかった気になりました!
クラファンがわかったっていうよりも、
いままでやっぱり誤解していたということがわかった。
いろいろ誤解してた点あるんですけど、
中でもいちばん大きな誤解は‥‥

資金調達がメインじゃない?

クラファンの目的はといえば‥‥?
ふつうは資金調達ですね。
ファンディングなんですから。
ところが、
プロジェクトの調達目標額を見ていると、
30万円とか50万円とか、
ずいぶん小さすぎる額の起案も多く、
なんだかセコい印象がありました。
>あのなぁ、
>そんな鼻クソみたいな小銭、
>まじめに汗かいて働いて貯めたらええやろ。
>いちいち他人を頼るなバカたれ。
>そんな甘い根性でビジネスができるか!

って、
そんなふうに思ったことないですか?
そしてまた例の決まり文句──
夢がかなう
ですよ。
(みなさん大好きなんですなぁ~、
夢を叶えるっていうフレーズが。)

50万とか100万なら、
コツコツまじめに働いたらすぐ貯まるんだから、
いちいち他人に出してもらおうなんて、
了見がセコすぎて、
そもそも情熱がないってことやんけ、
逆にめんどくさいことのほうが多いやんけって思う。
──これが誤解でした。
板越ショージ氏によるとですね、
クラファンっていうのは資金調達の手段なんじゃなくて、
マーケティングのツールと考えたらいいというんですね。
あーなるほど、
それならわかるわ。

資金調達が主目的なのではなくて、
たとえばテストマーケティングができるという点。
実際に商品化するまえに、
>ワタシ、
>いまからこんな商品を作ろうと思ってるんですけど、
>それいいなって思う人はお金だしてください。


呼びかけるわけですね。
企画に魅力がなくて響かなければ、
クラファンではお金が集まらないわけで。
売れもしない商品を作ってしまってから、
在庫のヤマを抱えて大慌て‥‥
みたいなリスクを回避できることになるわけで。
逆にクラファンで話題になれば、
お金だけじゃなしに人も、
つまり、
商品のファン、サポーター、応援団を集めることができます。
それがおのずと販売ルートの開拓にもつながる。
売れていく予兆が見えるわけですから、
>あなたのその商品、
>ぜひ売らせてください

って、
販売店のほうから声がかかる。
クラファンのサイトが、
あたかもプレスリリースのように、
広告宣伝の役割を果たしてくれるのです。
集金機能付のプレスリリースだと考えたらいいわけですね。
宣伝広告にはふつうはお金が出ていくんですけど、
お金を集めながら広告宣伝できる。
すばらしいじゃないですか。